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更新日:2012年3月31日

日本の世界遺産

世界遺産の種類には、建造物や遺跡等の「文化遺産」、貴重な自然環境等の「自然遺産」、さらには、文化遺産と自然遺産の両方に登録されている「複合遺産」の三種類があります。世界遺産に認められると、世界遺産リストに掲載されるわけですが、このリストには平成22年9月現在で、文化遺産が704件、自然遺産が180件、複合遺産が27件の合計911件の遺産が掲載されています。このうち、日本国内では、文化遺産が11件、自然遺産が3件の合計14件が掲載されています。ここでは、この日本国内の世界遺産登録状況についてご紹介いたします。

日本の世界遺産一覧(ページ内ジャンプです)

文化遺産

法隆寺地域の仏教建造物

法隆寺周辺には、飛鳥(あすか)時代から江戸時代までの木造建造物が数多く残されており、特に、法隆寺の金堂や五重塔、さらには法起寺(ほうきじ)の三重塔などの8世紀以前の仏教建造物は、現存する世界最古の木造建造物といわれています。そして、その歴史的な価値とともに木造建造物としての芸術性にも優れていることが高く評価され、平成5年に登録されました。

姫路城

姫路城

その美しい姿がまさに飛び立とうとする白鷺の姿を連想させることから、別名「白鷺城」と呼ばれています。また、この優雅な天守閣のイメージに反して、場内通路、櫓(やぐら)、門、石垣、壕(ほり)など、その構造は複雑で巧妙な防御が施されており、日本の城郭の特徴がよく残されています。漆喰の美しい白壁と、幾重にも重ねられた複雑な屋根の構成など素晴らしいデザインが高く評価され、平成5年に登録されました。

古都京都の文化財(京都市・宇治市・大津市)

古都京都の文化財(金閣寺)

京都は、平安時代から江戸時代に至る各時代を象徴する建造物や庭園など、数多くの文化財が今に残されている歴史のまちです。そのうち、かつての平安京を中心に、宇治市、大津市(滋賀県)にも位置する17の社寺・城は、各時代の様式を代表するものであり、その歴史的な推移を今に語り継ぐ貴重な存在が高く評価され、平成6年に登録されました。

白川郷・五箇山の合掌造り集落

岐阜県の白川郷、富山県五箇山の相蔵合掌集落と菅沼合掌集落は、その独特な合掌造りの民家とともに、各種の民族芸能が今日まで受け継がれています。こうした歴史的な景観と、それを取り巻く自然環境が、よく保存されていることから、平成7年に登録されました。

厳島神社

本社を中心に、客神社、天神社、高舞台、能舞台などの建造物が、朱塗りの回廊でつながり、周囲の森や海に映える厳島神社は、○山(みせん)の緑や瀬戸内海の潮の干満などの宮島の自然景観を建物の一部に取り込んだ、壮大なスケールと絶妙なハーモニーを醸しだしています。この厳島神社と周囲の森および海を含む約431haが、自然と文化の調和による素晴らしい景観として平成8年に登録されました。

原爆ドーム

1915年、広島県の産業奨励館として建設されたもので、第2次世界大戦末期の1945年8月6日に、世界で初めて投下された原子爆弾の爆心地となり大破しました。そして、この残骸を「原爆ドーム」として保存することを決定しました。核兵器の廃絶と世界の恒久平和を訴える人類共通の平和記念碑として、平成8年に登録されました。

古都奈良の文化財

古都奈良の文化財(東大寺)

8世紀に中国本土、朝鮮半島から伝播して日本に定着し、独自の発展を遂げた古都奈良の仏教建造物群は、その後の同種の建築の規範として大きな影響力を保ちつづけたものです。また、歴史的・考古学的価値の高い平城宮や古代の律令制拡充期における寺院の威容を伝える日本の古い形態の寺院建築の見本となる個々の建造物、そして、文化的景観の顕著な事例としての春日大社とそれを取り巻く自然環境が評価され、平成10年12月に京都で開催された第22回世界遺産委員会で登録されました

自然遺産

白神山地

東北北東部、青森県と秋田県の県境の山域に位置し、東アジア最大級といわれるブナの原生林(面積は約4万5千ha)で知られています。このうち約1万7千haが日本独特の生態系をもち、ブナの原生林を今にとどめる貴重な地域として、平成5年に登録されました。

屋久島

鹿児島県の南方約130kmに位置する屋久島の登録地は、島の面積の約20%を占める約1万haにわたります。海岸近くの亜熱帯から、照葉樹林帯、縄文杉に代表される樹齢数千年の屋久杉帯、そして高山植物が植生する冷温帯まで、植物の垂直分布が保たれており、まるで日本列島の自然の縮図を思わせます。複数の生物学的境界域にみられる豊富な植生が混在し、樹齢数千年の屋久杉が原始的な自然林とともに維持されてきたことと、屋久杉を含む生態系の独特な景観が評価され、平成5年に登録されました。

日本の世界遺産一覧

 

名称

種別

所在地

登録年月

該当価値基準

1

法隆寺地域の仏教建造物群

文化

奈良県

生駒郡斑鳩町

平成5年12月

1,2,4,6

2

姫路城

文化

兵庫県

姫路市

平成5年12月

1,4

3

屋久島

自然

鹿児島県

熊毛郡屋久町

平成5年12月

2,3

4

白神山地

自然

青森県

中津軽郡西目屋村
西津軽郡鯵ヶ沢町
西津軽郡深浦町

平成5年12月

2

秋田県

山本郡藤里町

5

古都京都の文化財(京都市、宇治市、大津市)

文化

京都府

京都市
宇治市

平成5年12月

2,4

滋賀県

大津市

6

白川郷・五箇山の合掌造り集落

文化

岐阜県

大野郡白川村

平成7年12月

4,5

富山県

砺波市

7

厳島神社

文化

広島県

廿日市市

平成8年12月

1,2,4,6

8

原爆ドーム

文化

広島県

広島市

平成8年12月

6

9

古都奈良の文化財

文化

奈良県

奈良市

平成10年12月

2,3,4,6

10

日光の社寺

文化

栃木県

日光市

平成11年12月

1,4,6

11

琉球王国のグスク及び関連遺産群

文化

沖縄県

那覇市
うるま市
国頭郡今帰仁村
中頭郡読谷村
中頭郡中城村
中頭郡北中城村
南城市

平成12年12月

2,3,6

12

紀伊山地の霊場と参詣道

文化

和歌山県

伊都郡高野町
伊都郡かつらぎ町
伊都郡九度山町
新宮市
東牟婁郡那智勝浦町
田辺市新屋敷町
西牟婁郡白浜町
西牟婁郡すさみ町

平成16年7月

2,3,4,6

奈良県

五條市
吉野郡十津川村
吉野郡黒滝村
吉野郡天川村
吉野郡吉野町
吉野郡川上村
吉野郡上北山村
吉野郡下北山村
吉野郡野迫川村

三重県

度会郡大紀町
北牟婁郡紀北町
尾鷲市
熊野市
南牟婁郡御浜町
南牟婁郡紀宝町

13

知床

自然

北海道

斜里郡斜里町
目梨郡羅臼町

平成17年7月

2,4

14

石見銀山遺跡とその文化的景観

文化

島根県

大田市

平成19年7月

2,3,5

文化遺産の登録基準

  1. 人類の創造的天才の傑作を表現するもの。
  2. ある期間を通じて、又はある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、町並み計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
  3. 現存する、又は消滅した文化的伝統又は文明の、唯一の又は少なくとも希な証拠となるもの。
  4. 人類の歴史上重要な時代を例証する、ある形式の建造物、建造物群、技術の集積又は景観の顕著な例。
  5. 特に、回復困難な変化の影響下で損傷されやすい状態の場合における、ある文化(又は複数の文化)を代表する伝統的集落又は土地利用の顕著な例。
  6. 顕著な普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰又は芸術的、文学的作品と、直接には明白に関連するもの(委員会は、この基準により一覧表への記載が認められるのは、極めて例外的な場合であり、かつ、他の文化遺産又は自然遺産の基準と関連している場合に限られるべきであると考える。)。

自然遺産の登録基準

  1. 地球の歴史上の主要な段階を示す顕著な見本であるもの。これには、生物の記録、地形の発達における重要な地学的進行過程、あるいは、重要な地形的、または、自然地理的特性などが含まれる。
  2. 陸上、淡水、沿岸、及び、海洋生態系と動植物群集の進化と発達において、進行しつつある重要な生態学的、生物学的プロセスを示す顕著な見本であるもの
  3. もっともすばらしい自然的現象、または、ひときわすぐれた自然美をもつ地域、及び、美的な重要性を含むもの。
  4. 生物的多様性の本来的保全にとって、もっとも重要かつ意義深い自然生息地を含んでいるもの。これには、科学上、または、保全上の観点から、すぐれて普遍的価値を持つ絶滅の恐れのある種が存在するものを含む。

(世界遺産委員会「世界遺産条約履行のための作業指針」より)

お問い合わせ

所属:教育委員会事務局文化財課世界遺産推進係

電話番号:0288-25-3200

ファックス番号:0288-25-7334

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