○日光市債権管理条例
平成24年7月1日
条例第47号
(目的)
第1条 この条例は、市の債権の管理に関する事務の処理について、必要な事項を定めることにより、市の債権の管理の適正を期することを目的とする。
(1) 市の債権 金銭の給付を目的とする市の権利をいう(地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第240条第4項各号に規定する債権を除く。)。
(2) 公債権 市の債権のうち、法第231条の3第1項に規定する歳入に係る債権をいう。
(3) 強制徴収公債権 公債権のうち、法第231条の3第3項に規定する歳入に係る債権をいう。
(4) 非強制徴収公債権 公債権のうち、強制徴収公債権以外の債権をいう。
(5) 私債権 市の債権のうち、公債権以外の債権をいう。
(6) 非強制徴収債権 非強制徴収公債権及び私債権をいう。
(7) 市の債権の管理に関する事務 市の債権について、債権者として行うべき保全、取立て、内容の変更及び消滅に関する事務をいう。
(他の法令等との関係)
第3条 市の債権の管理に関する事務の処理については、法令又は他の条例若しくはこれに基づく規則等に定めがある場合を除くほか、この条例の定めるところによる。
(市長の責務)
第4条 市長は、法令又は条例若しくは規則等の定めに従い、市の債権の適正な管理に努めなければならない。
2 市長は、市の債権の管理に関する事務の状況を的確に把握するとともに、市の債権を適正に管理するための体制を整備するものとする。
(事務処理の基準)
第5条 市の債権の管理に関する事務を行うには、次に掲げる基準によらなければならない。
(1) 法令又は条例若しくは規則の定めに従い、その債権の発生原因及び性質に応じて適正に処理すること。
(2) 納付遅滞の債務者に対しては、自主的な納付を促すため納付交渉を的確に行い、市の債権の保全に努めること。
(3) 市の債権の計画的な回収に努めること。
(台帳の整備)
第6条 市長は、市の債権(債権金額の全部をその発生と同時に納入すべきものとされているものを除く。)を適正に管理するために、規則で定める事項を記載した台帳を整備するものとする。
(督促)
第7条 市長は、市の債権について、当該債権の履行の期限(以下「履行期限」という。)までに履行しない者があるときは、期限を指定してこれを督促しなければならない。
(滞納処分等)
第8条 市長は、強制徴収公債権について、前条の規定による督促をした後、指定した期限までに履行されないときは、滞納処分を行わなければならない。
2 市長は、前項の規定にかかわらず、法令に定める事由に該当するときは、徴収の猶予、換価の猶予又は滞納処分の停止を行うものとする。
(1) 担保の付されている非強制徴収債権(保証人の保証があるものを含む。)については、当該債権の内容に従い、その担保を処分し、若しくは競売その他の担保権の実行の手続をとり、又は保証人に対して履行を請求すること。
(2) 債務名義(民事執行法(昭和54年法律第4号)第22条に規定するものをいう。以下同じ。)のある債権(次号の措置により債務名義を取得したものを含む。)については、強制執行(民事執行法第2章に規定するものをいう。以下同じ。)の手続をとること。
(履行期限の繰上げ)
第10条 市長は、市の債権について、履行期限を繰り上げることができる理由が生じたときは、遅滞なく、債務者に対し、履行期限を繰り上げる旨の通知をしなければならない。ただし、第13条第1項各号のいずれかに該当する場合その他特に支障があると認める場合は、この限りでない。
(債権の申出等)
第11条 市長は、市の債権について、債務者が強制執行又は破産法(平成16年法律第75号)の規定による破産手続開始の決定を受けたこと等を知った場合において、法令の規定により市が債権者として配当の要求その他債権の申出をすることができるときは、直ちに、そのための措置をとらなければならない。
2 前項に規定するもののほか、市長は、市の債権を保全するため必要があると認めるときは、債務者に対し、担保の提供(保証人の保証を含む。)を求め、又は仮差押え若しくは仮処分の手続をとる等必要な措置をとらなければならない。
(徴収停止)
第12条 市長は、非強制徴収債権で履行期限後相当の期間を経過してもなお完全に履行されていないものについて、次の各号のいずれかに該当し、これを履行させることが著しく困難又は不適当であると認めるときは、以後その保全及び取立てをしないことができる。
(1) 法人である債務者がその事業を休止し、将来その事業を再開する見込みが全くなく、かつ、差し押さえることができる財産の価額が強制執行の費用を超えないと認められるとき。
(2) 債務者の所在が不明であり、かつ、差し押さえることができる財産の価額が強制執行の費用を超えないと認められるときその他これに類するとき。
(3) 債権金額が少額で、取立てに要する費用に満たないと認められるとき。
(履行延期の特約等)
第13条 市長は、非強制徴収債権について、次の各号のいずれかに該当する場合においては、その履行期限を延長する特約又は処分をすることができる。この場合において、当該債権の金額を適宜分割して履行期限を定めることを妨げない。
(1) 債務者が無資力又はこれに近い状態にあるとき。
(2) 債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり、かつ、債務者の現に有する資産の状況により、履行期限を延長することが徴収上有利であると認められるとき。
(3) 債務者について災害、盗難その他の事故が生じたことにより、債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であるため、履行期限を延長することがやむを得ないと認められるとき。
(4) 損害賠償金又は不当利得による返還金に係る非強制徴収債権について、債務者が当該債務の全部を一時に履行することが困難であり、かつ、弁済につき特に誠意を有すると認められるとき。
2 市長は、履行期限後においても、前項の規定により履行期限を延長する特約又は処分をすることができる。この場合においては、既に発生した履行の遅滞に係る損害賠償金その他の徴収金(以下「損害賠償金等」という。)に係る非強制徴収債権は、徴収すべきものとする。
(免除)
第14条 市長は、前条の規定により債務者が無資力又はこれに近い状態にあるため履行延期の特約又は処分をした非強制徴収債権について、当初の履行期限(当初の履行期限後に履行延期の特約又は処分をした場合は、最初に履行延期の特約又は処分をした日)から10年を経過した後において、なお債務者が無資力又はこれに近い状態にあり、かつ、弁済することができる見込みがないと認められるときは、当該債権及びこれに係る損害賠償金等を免除することができる。
(債権の放棄)
第15条 市長は、私債権について、次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該債権及びこれに係る損害賠償金等に係る債権を放棄することができる。
(1) 当該債権に係る時効期間が満了したとき。ただし、債務者が時効の援用をしないことにつき、特別の理由があると認められるときを除く。
(2) 破産法第253条第1項、会社更生法(平成14年法律第154号)第204条第1項その他の法令の規定により、債務者が当該債権につきその責任を免れたとき。
(3) 債務者が死亡し、その債務について民法(明治29年法律第89号)第922条の規定による限定承認があった場合において、その相続財産の価額が強制執行をした場合の費用並びに当該債権に優先して市及びその他の者が弁済を受ける債権の金額の合計額を超えないと見込まれるとき。
(4) 第12条に規定する徴収停止の措置をとった当該債権について、当該徴収停止の措置をとった日から相当の期間を経過した後においても、なお債務者が無資力又はこれに近い状態にあり、資力の回復が困難で、履行の見込みがないと認められるとき。
3 市長は、前2項の規定により債権を放棄したときは、規則で定めるところによりこれを議会に報告しなければならない。
(委任)
第16条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
この条例は、平成24年7月1日から施行する。