○日光市中小企業・小規模企業振興基本条例

平成28年12月19日

条例第40号

日光市は、豊かな自然、世界に誇る文化遺産・産業遺産など、個性ある地域資源を有し、多彩な魅力と高い知名度に支えられ、国内外を問わず日本の代表的な観光地として栄えてきた。また、古くから街道が整備され、交通の要衝には近在の農山村から物資が集まる市場町として栄え、地域経済が発展し続けてきた。

しかしながら、近年、経済のグローバル化に伴う国際間・地域間の競争の激化や少子高齢化社会による人口減少など、市内の中小企業者及び小規模企業者を取り巻く経済的社会的環境が大きく変化している。

このような状況の中で、地域経済が活力を持ち、日光市が未来に向け更なる発展を図るためには、市、中小企業者、小規模企業者、関係団体及び市民が、中小企業者及び小規模企業者の事業活動が地域社会及び市民生活の向上に貢献するという認識の下において、それぞれの役割を明確にし、協働することが必要である。

このような考えの下、中小企業・小規模企業の振興により、豊かで魅力あるまちを実現するため、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、中小企業・小規模企業の振興に関し、基本理念を定め、市の責務等を明らかにするとともに、中小企業・小規模企業の振興に関する施策の基本となる事項を定めることにより、中小企業・小規模企業の振興に関する施策を総合的に推進し、もって地域経済の発展及び市民生活の向上に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 中小企業・小規模企業の振興 中小企業の多様で活力ある成長発展及び小規模企業の事業の持続的な発展を図ることをいう。

(2) 中小企業者 中小企業基本法(昭和38年法律第154号)第2条第1項に規定する中小企業者であって、市内に事務所又は事業所を有するものをいう。

(3) 小規模企業者 中小企業基本法第2条第5項に規定する小規模企業者であって、市内に事務所又は事業所を有するものをいう。

(4) 経済団体 商工会議所、商工会その他の地域経済の振興を目的とする団体のうち市内において活動するものをいう。

(5) 金融機関等 銀行、信用金庫その他の金融機関及び信用保証協会をいう。

(基本理念)

第3条 中小企業・小規模企業の振興は、中小企業者及び小規模企業者による経営の改善及び向上を図るための自主的な努力が促進されることを旨として推進されなければならない。

2 中小企業・小規模企業の振興は、中小企業者及び小規模企業者が、その多様性を活かした事業活動を通じて、地域経済の活性化を促進し、多くの雇用を創出する等地域社会の発展及び市民生活の向上に貢献する重要な存在であるという認識の下に推進されなければならない。

3 中小企業・小規模企業の振興は、市、中小企業者、小規模企業者、経済団体、金融機関等及び市民が相互に連携を図りながら協力することにより推進されなければならない。

(市の責務)

第4条 市は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、中小企業・小規模企業の振興に関する施策を策定し、及び実施する責務を有する。

2 市は、前項に規定する中小企業・小規模企業の振興に関する施策の策定に当たっては、中小企業者、小規模企業者、経済団体、金融機関等及び市民の意見を反映させるよう努めるものとする。

3 市は、中小企業者及び小規模企業者が地域経済の活性化及び市民生活の向上に貢献していることについて、市民の理解を深めるよう努めるものとする。

4 市は、工事の発注、物品及び役務の調達等に当たっては、予算の適正な執行に留意しながら、中小企業者及び小規模企業者の受注機会の増大に努めるものとする。

(中小企業者及び小規模企業者の努力)

第5条 中小企業者及び小規模企業者は、基本理念にのっとり、自主的に経営の革新及び経営基盤の強化に努めるものとする。

2 中小企業者及び小規模企業者は、雇用環境の整備、雇用の維持及び創出並びに人材の確保及び育成に努めるものとする。

3 中小企業者及び小規模企業者は、事業活動を通じて、地域の振興に寄与するよう努めるものとする。

4 中小企業者及び小規模企業者は、市が実施する中小企業・小規模企業の振興に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(経済団体の役割)

第6条 経済団体は、基本理念にのっとり、中小企業者及び小規模企業者の経営の改善及び向上に積極的に取り組み、市が実施する中小企業・小規模企業の振興に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(金融機関等の役割)

第7条 金融機関等は、基本理念にのっとり、中小企業者及び小規模企業者の円滑な資金調達並びに経営の改善及び向上に協力するよう努めるものとする。

2 金融機関等は、市が実施する中小企業・小規模企業の振興に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(市民の理解及び協力)

第8条 市民は、基本理念にのっとり、中小企業・小規模企業の振興に対する理解を深めるとともに、中小企業者及び小規模企業者が供給する製品及び役務の利用を通じて中小企業者及び小規模企業者の発展に協力するよう努めるものとする。

(施策の基本方針)

第9条 市は、次に掲げる基本方針に基づき、中小企業・小規模企業の振興に関する施策を策定し、及び実施するものとする。

(1) 中小企業者及び小規模企業者の経営の革新及び経営基盤の強化を促進すること。

(2) 中小企業者及び小規模企業者の創業を促進すること。

(3) 中小企業者及び小規模企業者への資金調達の円滑化を図ること。

(4) 中小企業者及び小規模企業者における人材の育成及び確保を図ること。

(小規模企業者への配慮)

第10条 市は、中小企業・小規模企業の振興に関する施策を講ずるに当たり、経営資源の確保が困難であることが多い小規模企業者の事情に配慮するものとする。

(財政上の措置)

第11条 市は、中小企業・小規模企業の振興に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるものとする。

(その他)

第12条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、平成29年4月1日から施行する。

日光市中小企業・小規模企業振興基本条例

平成28年12月19日 条例第40号

(平成29年4月1日施行)