石塚敬訓氏(PARENTHESECAFÉ)
運命の一杯との出会い
店名の「パランテーズ」はフランス語で「()(かっこ)」。()(かっこ)の中には人ぞれぞれの想いや言葉等、当てはめるものがあり、その中に入るものを紹介していきたい、という想いで名付けました。
元々はフレンチやイタリアンのシェフとして勤務していた石塚さん。シェフだった石塚さんが、レストランではなくカフェをオープンさせた理由は一杯のコーヒーとの出会い。「以前勤めていたホテルで最高級のコーヒーを飲んだ時、香りと甘みに衝撃を受けました。それがきっかけで徐々にカフェをやりたいと思うようになりました」。
起業に向けた準備
「10代の頃から30歳になったら起業して自分の店を持つ、ということを念頭において働いてきました。そのためお店で使う機材などは前もって計画的に購入しておいたので、初期投資はそれほど大きくかかりませんでした。」
そして30歳を目前にしたある日、当時勤めていた日光市内のホテルから買い出しに出かけた際に、偶然現在の店を見つけました。
「たまたま貸し出しの初日だったこともあり、広さや天井の高さがとても気に入ったため貸してもらうことにしました。それからは壁や床、椅子など、自分でできるところは自分で修繕を始めました。前職でも休館日などに家具のメンテナンスをしていたので、その経験が今回とても役に立ちました。」とはいえトイレなど、プロにしか直せない部分もいくつかあり「お金がかかる部分は日光市の商店リフレッシュ事業費補助金を活用しました。改修費の2分の1が助成されるのはとても助かりました。」
オープン当初はあまりお客さんは来ませんでしたが「こんなものだろうと想定はしていました。今は耐える時だと。しかし、やはり大変は大変なので月額家賃の2分の1が12か月間助成される日光市の家賃補助は気持ちの面でも助けられました」。
コーヒーと地域へのこだわり
「うちはカフェ兼コーヒー豆の卸売もしています。栃木県内の美味しいコーヒーを常にリサーチし、焙煎所まで直接出向いて焙煎者に承諾を得たうえで、取り扱わせていただいており、常時8種類のコーヒーをご用意しています。日光市でここまで多彩なコーヒーを飲めるのはうちだけだと思います」。そのこだわりが話題になり、SNSや口コミで徐々に認知され、現在では多くの地元客や常連客が訪れるようになりました。
また、経営するうえでは人との繋がりがとても重要だと言います。「これから起業する方は、地元の方と交流を深めた方が良いと思います。自分のやりがいにも繋がるし地域の方々との雰囲気も良くなります。また、個人事業主間の連携もこれからますます必要になってくると思います。僕らのような個人店も他の業種と連携すれば仕事の幅もだいぶ広がります」。
コーヒーを通じて地域経済の活性化
「今後はさらに足を広げ、県内の美味しいコーヒーを取り扱っていく予定です。また、市内外において開催されるイベント等に出店し、栃木県のコーヒーの魅力を広めてコーヒーの消費量を増やし、良い経済効果をもたらせればと考えています」。
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更新日:2024年02月01日