令和6年提出の意見書・要望書

更新日:2024年12月19日

再審法改正を求める意見書

提出日:令和6年12月13日

えん罪は、国家による最大の人権侵害の一つです。えん罪被害者の人権救済は、人権国家を標ぼうするわが国にとってはもちろん、地域住民の人権を護る義務を有する地方自治体にとっても重要な課題といえます。

ところで、えん罪被害者を救済するための制度としては「再審」があります。しかし、その手続を定めた法律(刑事訴訟法第四編「再審」)には、再審請求手続の審理のあり方に関する規定がほとんどなく、裁判所の広範な裁量に委ねられています。このように、いわば「再審のルール」が存在しない状態となっているため、再審請求手続の審理の進め方は、事件を担当する裁判官によって区々となっており、再審請求手続の審理の適正さが制度的に担保されず、公平性も損なわれています。

その中でも、とりわけ再審における証拠開示の問題は重要です。過去の多くのえん罪事件では、警察や検察庁といった捜査機関の手元にある証拠が再審段階で明らかになって、それがえん罪被害者を救済するための大きな原動力となっています。したがって、えん罪被害者を救済するためには、捜査機関の手元にある証拠を利用できるよう、これを開示させる仕組みが必要であるが、現行法にはそのことを定めた明文の規定が存在せず、再審請求手続において証拠開示がなされる制度的保障はありません。そのため、裁判官や検察官の対応いかんで、証拠開示の範囲に大きな差が生じているのが実情であって、このような格差を是正するためには、証拠開示のルールを定めた法律の制定が不可欠です。

しかも、再審開始決定がなされても、検察官がこれに不服申立てを行う事例が相次いでおり、えん罪被害者の速やかな救済が妨げられています。しかし、再審開始決定は、裁判をやり直すことを決定するにとどまり、有罪・無罪の判断は再審公判において行うことが予定されており、そこでは検察官にも有罪立証をする機会が与えられています。したがって、再審開始決定がなされたのであれば、速やかに再審公判に移行すべきであって、再審開始決定という、いわば中間的な判断に対して検察官の不服申立てを認めるべきではありません。

よって、えん罪被害者を一刻も早く救済するために、再審請求手続の審理のあり方について十分議論し、再審法を速やかに改正するよう強く求める意見書を提出しました。

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