令和3年度テーマ展「江戸時代の感染症と人々のくらし」
はじめに
人類は今、新たな感染症「コロナ」に直面し、苦悩の真っただ中にあります。同様に、私たちの先祖も、死と隣り合わせの感染症に苦しんだ長い歴史を歩んでいます。
江戸時代には、こうした感染性の疾病を「疫病」や「流行り病」と呼んでいました。 具体的には、疱瘡(天然痘:現在は撲滅)・麻疹(はしか)・虎狼痢(コレラ)などです。この展示は、地域に受け継がれている祭礼や古文書を通して、江戸時代の疫病に対する人々の対応の姿を明らかにしようとするものです。
当時の疫病対策は、祈りや祭礼という手段で予防や軽症化を願うことが中心でした。集落の辻に藁人形や大草鞋を置いたり、牛頭天王や大杉様を祀ったり、地域への疫病侵入を防ぐためにひたすら祈ります。一方、幕末の壬生藩医齋藤玄昌(蘭方医)の活躍に見られるように、下野国の医療は確実に進歩しています。その様子は、二宮家と齋藤玄昌との関わり(二宮弥太郎の虎狼痢罹患・金次郎の孫たちの種痘)を通して確認できます。
また、市内に遺された古文書から、報徳仕法実施途中の1861年に轟村を襲った「疫病」の実態と、「報徳無利息金」を活用した救済支援策について追跡します。
「温故知新」、この展示は、我々の喫緊の課題である「ウィズコロナ」に対するヒントが随所に隠れています。どうぞ、ご覧ください。
会場・会期
会場:日光市二宮尊徳記念館(日光市今市304-1)
期間:令和4年1月15日(土曜日)~3月31日(木曜日)
- 開館時間:午前9時00分~午後5時00分(最終入館は午後4時30分)
- 休館日:毎週月曜日(祝日の場合は開館し、翌日休館)
- 入館料:無料
展示解説パンフレット
令和3年度テーマ展「江戸時代の感染症と人々のくらし」の展示解説パンフレットです。
この記事に関する問い合わせ先
教育委員会事務局文化財課歴史民俗資料館
電話番号:0288-25-7333
問い合わせフォーム
- みなさんの意見を聞かせてください
-
更新日:2025年10月10日