輝き人「箏演奏家和久文子さん」(広報にっこう2024年4月号)

箏演奏家の和久文子さん

箏演奏家和久文子(わくふみこ)さん

着物を着ている和久文子さん

和久文子さん

箏演奏家

箏でつなぐ邦楽の魅力

小学生の時に音楽と出会い、箏に魅せられた和久さん。現在は、東京や栃木県内を中心に演奏活動などを行い、邦楽の素晴らしさや箏の魅力を伝え続けています。今回は、箏の魅力について和久さんに話を伺いました。

音楽との出会い

小学校の友だちがピアノを習っていて、当時の私は、いつも友だちが弾くピアノの隣で音色に聴き入っていました。低音の音が胸に響いて、とても心地が良かった。いつの間にか音楽の魅力に引き込まれていました。それから、近くで音楽の先生をやっていた方がお箏の先生だったこともあり、母の勧めで、お箏を始めたのがきっかけです。
その後、東京で沢井忠夫・一恵先生と出会い、お箏の素晴らしさを改めて感じました。お箏を両手でピアノのように弾き、研ぎ澄まされた音とダイナミックさの中に、一音の魅力があって、「一生この先生についていきたい」と思ったのが、大人になってからの本当のお箏との出会いでした。

一音の音の魅力

お箏は、とてもシンプルな楽器です。ただ、シンプルだからこそテクニックが必要となります。例えば、音の半音の響きとか、技術面での音の出し方など、爪の角度ひとつとっても音色が変わり、左手の動きでも音程が変わります。いろいろと魅力的な音が、自分の技術の中から追究することができます。それがお箏の魅力です。
そしてお箏には、一音の「音の魅力」があります。お箏はたくさんあるけれど、素材が同じ桐でも原木が違うため、それぞれに多彩な音がします。楽器の構造は単純ですが、そんな奥深い音の魅力が私は好きです。これからも一音一音の音を追究していきたいと思います。

子どもたちに伝えたい

もともと東京でスクールコンサートの活動などを行っていました。その時に子どもたちが、目を輝かせて私たちの演奏を聴いていたんです。私はその時に、ぜひこの活動を通して、栃木県の子どもたちにこの音楽を聴いてもらいたい、お箏を通して邦楽の魅力を伝えたいと思い、栃木県に帰ってきました。
現在は、日光市を始め、県内各地でスクールコンサートなどの活動を通して、年間約1万人の子どもたちと向き合っています。そして、日本の伝統文化を伝えていくことが大事なことだと思います。お箏のもつ可能性を伝えることで、今の若い人たちにつないでいきたいです。

スクールコンサートで子どもたちに箏を見せる様子

楽しみながら

今後も演奏活動を息子の福田智久山(尺八)・智世(箏)夫妻と共に継続していきます。スクールコンサートを通した活動はもちろんですが、自分の生徒に対しても、それぞれの目標に合った指導を心掛けていきたいです。
当然練習は楽しいことばかりではないですし、壁にもぶつかることもありますが、みんなで助け合いながら、そして楽しみながら音楽の魅力を伝え続けていきたいと思います。

インタビューを終えて

インタビュー前に「秋の音楽祭」コンサートを鑑賞しましたが、迫力ある音、そして何より生の演奏に引き込まれてしまいました。
和久さんの、箏を通した邦楽の魅力や音の魅力を「伝えたい」という強い思いに、音楽への愛を感じました。
令和6年度も田母沢御用邸記念公園では、コンサートを予定しています。ぜひ皆さんも生の演奏を聴きに、足を運んでみてください。

スクールコンサートで演奏する様子

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