令和7年5月所信表明
市政経営の基本方針
私は、議員活動において市民の皆さんとの対話を重ねる中で、歯止めがかからない人口減少や活気が薄れた地域経済、安心と活力が失われつつある市民生活に強い危機感を抱きました。そして、これらを打開するため、日光市の若い世代が意欲を持って活躍できる社会をつくることが、今の日光市に最も必要な変革であると考えています。
この度、日光市長に就任するに当たり、私はこれらの課題に対し、真正面から向き合う覚悟です。日光市が持つポテンシャルを最大限に引き上げることで、ブランド力と競争力を高めるとともに、既成概念にとらわれることなく、大胆かつ積極的に市政を経営することで、日光市の「新しい景色」を創造してまいります。
7つの重要政策
(1)地域経済の発展に挑戦
当市は、女性や若い世代の働く場の不足が人口流出の一因と言われています。地域経済の持続的な発展のためには、市内における産業の多様化を促し、特に、女性や若い世代にとって魅力的かつ将来性を感じられる仕事の選択肢を増やすことで、移住定住につなげることが重要と捉えています。
このため、新たな雇用を生み出す産業団地を計画的に造成するとともに、多様な企業を誘致することで幅広く働く場を確保し、若い世代が戻ってきたいと思えるまちづくりを目指してまいります。
(2)子育て・教育の整備に挑戦
未来を担う子どもたちが健やかに成長し、変化の激しい社会を生き抜く力を育むためには、時代に即した質の高い教育環境の整備が不可欠です。また、地域への愛着を育む郷土教育や、将来の地域経済をけん引するリーダーの育成も重要な課題です。
このため、地域社会の担い手となる若い世代の育成に向け、学校教育におけるデジタル化を推進するとともに、日光市の歴史と文化の学習機会を充実することで、日光市のブランド力を活かせる、より質の高い特色ある人材育成を進めてまいります。
(3)医療・福祉環境の整備に挑戦
少子高齢化が進展する中で、全ての市民の皆さんが健康で安心して暮らせるまちづくりは、継続していかなくてはならない重要な取組の一つと捉えています。
このため、市民の皆さんが住み慣れた地域で活力ある生活を送れるよう、健康寿命の延伸に向け、高齢者の仲間づくりや地域コミュニティづくりに取り組んでまいります。
(4)まちづくり・過疎対策に挑戦
広大な日光市においては、過疎化が進展する地域の活力を維持・向上させるまちづくりが必要と捉えております。
このため、地域おこし協力隊や集落支援員など、既存制度の更なる活用に加え、特定地域づくり事業協同組合制度の導入など新たな方策を検討し、それぞれの地域特性を活かしたまちづくりにつなげてまいります。
(5)観光・スポーツ・文化の発展に挑戦
国際的な観光地である当市は、多様な自然環境や歴史的文化遺産、産業遺産のほかにも、プロスポーツや地域の伝統工芸など、誘客につながる豊富な地域資源を有しています。
これらの資源を最大限に活用し、スポーツツーリズムやインバウンド誘客に向けたトップセールスなどを推進するとともに、観光協会や関連団体・事業者の皆さんとの信頼関係を構築し、緊密な連携を図ることで、コロナ禍前の観光客入込数1,200万人を目指して、更なる誘客促進に取り組んでまいります。
(6)行財政改革に挑戦
限られた財源の中で、市民サービスの向上を図り、将来にわたって持続可能な市政経営を行うためには、徹底した行財政改革が必要です。
このため、財政収支の均衡を保ちながら、あらゆる施策で収入の増加を目指すとともに、既存事業の見直しや業務の効率化など、既成概念にとらわれず改革を進めてまいります。また、改革を実現していくためには、職員の能力やスキルを高めていくことが不可欠であることから、専門的な知識を身に付けた職員を育成するとともに、職員一人ひとりが意欲をもってそれぞれの職務に取り組むことができるよう、風通しの良い組織風土を醸成してまいります。
(7)防災・環境対策に挑戦
近年、気候変動の影響により自然災害のリスクが高まる中、市民の皆さんの生命と財産を守るための防災・減災対策は喫緊の課題です。加えて、国立公園を有する当市において、豊かな自然環境の保全と、持続可能なゼロカーボンシティの実現に向けた取組は重要な責務であると捉えています。
このため、災害に強い地域づくりに取り組むとともに、指定90周年を迎えた最初期の国立公園を抱える自治体として、国と積極的な連携を図り、国立公園の保護と活用のバランスを取りながら環境整備を推進してまいります。また、太陽光等の再生可能エネルギー施設の導入を促進することで、環境にやさしく安全で暮らしやすいゼロカーボンシティの実現に取り組んでまいります。
結びに
私の政治信条は、「市民目線」「市民感覚」を大切にすることであります。この信条に基づき、私が目指す日光市の将来像は、市民一人ひとりが日々の生活の中で確かな安心と喜びを感じ、自らの未来、そして子どもたちの未来に希望を抱ける、活気に満ちた地域社会です。このような地域社会を実現し、幸福感に満ちた市民生活を創り上げることこそが、日光の「新しい景色を創る」ことであると確信しております。
このため、これまで申し上げてきた7つの重要政策を柱とし、市民の皆さんの切実な願いや、まちづくりへの熱い思いを市政に反映させ、スピーディーかつ着実に実行してまいります。
豊かな自然や深い歴史と文化に恵まれた日光市において、世界に誇る景観と市民の確かな生活の営みが調和し、未来を担う子どもたちの顔が輝く「新しい景色を創る」ため、全力を尽くして、市政経営に取り組んでまいります。
日光市を前に進めていくためには、議員の皆さんと手を携えながら、市民の皆さんの声を何よりも大切にしていくことが不可欠であると捉えています。
議員各位、並びに市民の皆さんのご理解、ご協力をお願い申し上げまして、私の所信表明といたします。
この記事に関する問い合わせ先
企画総務部秘書広報課秘書係
電話番号:0288-21-5133
ファクス番号:0288-21-5137
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更新日:2025年05月28日