平成30年度テーマ展「金次郎を支えた娘「ふみ」の生涯」
はじめに
ふみは、1824(文政7)年7月、桜町陣屋(現真岡市)で父二宮金次郎・母なみの長女として誕生した。当時の「陣屋日記」を見ると、金次郎は、弥太郎・ふみ兄妹の教育について、男女の区分けなく対応している様子である。父は兄妹の成長の過程で、陣屋を訪れる者の中から書や絵の師を見出している。十代前半のふたりは、若林金吾(自修・欽行、不二孝仲間)や不退堂聖純(京出身の書家)から書物や書の指導を受け始める。
なお、ふみは、13歳の時から仕法で桜町を訪れた江戸の画家、大岡雲峰の手ほどきを受けている(後に師の一字を貰い「奇峰」と号す)。また、二十代初めには、烏山藩家老の嫡子大久保金吾(文隣)から、本格的に書の指導を受ける(一字を貰い「松隣」と号す)。
書画の素養を身に付けたふみは、「日光神領仕法雛形」の浄書や、父・兄の出張時に陣屋の様子を記録した「年中日記出入帳」・「当座金銀米銭出入帳」を綴るなど報徳仕法の実施に欠かせない存在となっている。
しかし、1852(嘉永5)年8月、金次郎の高弟、中村藩士富田久助(高慶)と結婚するも、翌年6月に死産、父が日光神領廻村中の7月7日に自身も病死。享年30歳という短い一生であった。
ふみは、幕末期に、独自の農村復興事業【報徳仕法】を生み出しそれを実践した父金次郎を、身近で支えた有為な女性であった。幸い、ふみの筆跡や絵が今日まで残されており、その才能を垣間見ることができる。
会場・会期
会場:日光市二宮尊徳記念館(日光市今市304-1)
会期:平成31年2月26日(火曜日)~3月31日(日曜日)
- 開館時間:午前9時00分~午後5時00分(最終入館は午後4時30分)
- 休館日:毎週月曜日(祝日の場合は開館し、翌日休館)
- 入館料:無料
展示解説パンフレット
平成30年度テーマ展「金次郎を支えた娘「ふみ」の生涯」の展示解説パンフレットです。
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教育委員会事務局文化財課歴史民俗資料館
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更新日:2025年10月10日