遠藤明さん(セカンドライフ・起業)タクシードライバー
日光市移住者インタビュー
「足尾茶家_庭Cafe_エイドステーション」と書かれたシャツも製作している
遠藤明さん
- 出身地・・・・東京都足立区
- 転入前・・・・ 埼玉県行田市
- 移住した年 ・・2025年6月
- 職業 ・・・・・タクシードライバー/足尾茶家オーナー*開業準備中2026年3月時
自分の意思で選び続ける生き方―日光・足尾での挑戦
長年の社会人経験を経て、飲食業での独立など自らの意思でキャリアを切り開いてきた遠藤さん。現在も東京へ通ってタクシードライバーとして働きながら、足尾での暮らしを組み合わせる生活を実践しています。都市で収入の基盤を確保しつつ、地方で自分の時間と将来の構想を育てていく、そのスタイルは、自ら現地に足を運び、生活の実態や空気感を確かめながら判断してきたものです。今後、飲食業の経験を活かして、足尾のこの場所に人の集まる“場所”を造ろうと準備をしています。名前は「足尾茶家」と決めているそうです。
気に入って”即決”したというこの物件…最初は草だらけであった庭もご自身が整備した
1|後戻りできないという覚悟
人生の節目の中で、移住はやり直しが難しい選択であるという現実を強く意識していた。
「移住に関しても年齢的にもう後戻りできないという、失敗できないというのがあって、もうここで“決めないといけない”なっていうのはありましたね」
情報収集を重ねるだけでなく、その中から自分に合った条件を見極めることに重きを置いている。立地や環境だけでなく、今後の生活や働き方まで含めて総合的に判断している点が特徴的である。
「移住の情報とか、いろんな地元の話を聞いたりして、最善を選び出さなくちゃいけないなっていうのが重要でしたね」
“後戻りできない”という意識があるからこそ、決断の質を高めている。
2|現場で確かめる移住先探し
「(ふるさと回帰支援センターとか)そういうところ行かずに、もう僕は現場、現場で行っちゃってたんで」「やっぱり行ってみないと分からないですからね(笑)」
インターネットや資料だけでは得られない情報を、自分の足で取りに行っている。移住先探しを前向きな体験として捉えている。
「登山の延長で楽しんじゃってたんで、楽しみながら探してた感じですね」「山歩きの道すがら、『この家はどうだろう、売ってくれないかな』とか」
土地を単なる場所ではなく、「何ができるか」という視点で見ている。実際に歩くことで、その土地での生活イメージが具体化していく。現場で得た実感が、最終的な意思決定の大きな要素となっていった。
西穂高岳を縦走された時の一枚…足尾を拠点に山行を楽しんでいる
3|キャリアの転換と挑戦
「23歳から34歳までサラリーマンやっていたんですよ、普通に会社員でしたね(笑)」
一度は安定した企業でのキャリアを歩んでいる。
「その時に突然『ラーメン屋を始める!』って言い始めて、周りはびっくりしてましたけどね」
「僕はもう20年もラーメン屋やって…それから、55歳で友達に勧められタクシードライバー始めたんですけど、最初は嫌やだなと思ってたんですけど、始めたら意外と楽しくて…今も月に10日くらいやっています」
自らの意思で大きく方向転換する決断をしている。一つの環境にとどまらず、選択を積み重ねてきたことが今の柔軟な生き方につながっている。
4|海外志向と現実的な判断
「ニュージーランドでの暮らしとか、オーストラリアやハワイもいいなって、ずっと考えていました」
海外での生活も具体的な選択肢として検討していた。
「でも海外では地元にコネクションがないと、日本人が来て簡単に商売させてくれないですよ、甘くないですよね、やっぱり」
ビジネスの現実的な難しさも理解して、実際に成り立つかどうかを重視して、国内での移住という選択にたどり着いている。
食事のメニューを考える傍ら”足尾茶家”のロゴやステッカーもご自身が考えた
5|東京での働き方と生活の基盤
都市と地方、それぞれの役割を分けた生活を実践している、遠藤さん
「こっちでのんびりしながら東京の仕事もする。こちらで自分の好きなことをする、両方できるのがいいですよね」
実際には無理なく続けられる形で成立している。移動の負担も含めて受け入れ、東京ではタクシードライバーとして働き、収入の基盤を確保している。
「意外と楽ですよ、慣れれば全然問題ないです」「往復の交通費は…自腹ですけど(笑)」
“働く場所”と“暮らす場所”を分けることで、生活全体のバランスが取れているという。
6|足尾での暮らしと近所付き合い
挨拶が地域との関係づくりの第一歩になったようだ。
「この家を購入した直後に、タオル握って向こう三軒…十数軒はご挨拶に回りましたね」
作業中に声をかけられたり、野菜や果物をもらったりと、自然な交流が生まれていった。
「庭作業をしてると、みんな声かけてくれるんですよ」「ご近所からスイカをいただいたりして(笑)」
「両隣の奥様からは『もし店をやるんだったら手伝わせてね』なんて言ってくれています」
自治会にも加入し、地域の一員として受け入れられていく過程が印象的だ。「都会よりも人との距離が近い」と感じる瞬間が多く、都市とは違った、顔の見える関係が足尾での暮らしにはある。
足尾茶家の庭には草花だけでなくパイナップルも育つ
7|「足尾に茶家を開きたい」生活空間を“店”に変える
遠藤さんは自宅という生活空間を“ロードバイクや登山客”が立ち寄れる“エイドステーション”のような場所を目指して、日々DIYに取り組んでいる。
「コンセプトが“僕の生活空間を早変わりでお店にする”っていうことなんで、休日はここにテーブルを配して、ベランダも片付けて二つぐらい2人掛けのテーブルを作ったり…」
これまでの料理人の経験を活かしたメニューづくりも進行中だ。
「パンケーキ作ったり、小豆を煮たり…いろいろ試作してるんですよ、名前は“足尾茶家”。ロードバイクの方や登山の方のエイドステーションになれば。かき揚げうどんとかカレーを出したいですね。」
「生活と店が地続きになるような空間」をつくりたいという思いが膨らみ既に足尾茶家の名入りステッカーも作成している。
エイドステーションという発想も自身の自転車での経験から
8|日光という場所の価値
「日光を選んだ…結論から言えば、もう歴史ある大自然ですね、 “陽明門”を見た瞬間に固まっちゃったぐらい、素晴らしいですね。」
日光の自然だけでなく、修験道や東照宮に象徴される“歴史の深さ”に強く惹かれた遠藤さん。中学校以来に訪れた東照宮で、その壮麗さに心を打たれ「骨を埋めたくなるほど」になったと語る。
「あと日光は水が美味しいんです、生命の源の水と空気ですよね。」
“水と空気が美味しい”という実感も、日光で暮らす価値を高めているという。
おわりに
遠藤さんの移住は、仕事を手放して一から生活を組み直すのではなく、東京に通いながら、これから足尾での暮らしの基盤となる“足尾茶家”開業の準備を進めていくという、現実的な計画に基づいて進められています。さらに、近隣住民との関係づくりにも積極的に取り組み、地域の中での立ち位置も着実に築いています。こうした「収入の確保」「拠点づくり」「地域との関係」を段階的に整えていく進め方は、移住を具体的に検討する際の一つの参考になるでしょう。
間もなく”足尾”にここを往来する方の憩いの場になる一軒の茶家ができる




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更新日:2026年05月26日