床井紀子さん(就職・起業)ゲストハウス勤務・クラフト作家

更新日:2026年05月26日

日光市移住者インタビュー

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移住してからやりたいと思っていたことが実現できるようになったと語る床井さん

床井紀子さん

  • 出身地・・・・千葉県市原市
  • 転入前・・・・千葉県市原市
  • 移住した年 ・・2025年4月
  • 職業 ・・・・・ゲストハウス勤務・クラフト作家

「そこは本当にあなたが生きている場所ですかって問いたいです」 ―自分らしく生きる場所を求めて、日光へ

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ご両親やご兄弟は日光で暮らしていた

1|日光とのつながりは「ルーツ」にあった

床井さんの家族のルーツは日光にあり、もともと縁のある土地だった。

「母が旧日光の細尾、父は清滝の生まれだと言っていました。姉さんは8歳、兄さんは7歳だったかな、古河電工の電線部が千葉県の市原市の工場地帯に引っ越す、その関係で家族全員で転勤です、その時に私はお腹の中にいたらしいです」

日光は完全に未知の土地ではなく「どこかで知っている場所」という感覚があったことが、心理的な安心感につながっている。移住という行為でありながらも、どこか“原点”に戻るような感覚を持っていた。

2|環境の違いが価値観を変えた

千葉の工業地帯で長く暮らしてきた経験があるからこそ、場所の違いに対する感覚がより鮮明になっている。

「工場地帯のコンビナートですか、その近くに住んでいたんです、小さい頃に記憶があるのは…川が臭いっていうか…今では、鮒とか亀とか泳いでいるのを見かけるんですね。けど、やっぱり黒い川だなって」

都市での生活の中で、自然環境への違和感が無意識のうちに蓄積していた。

「こっちに来た時に、家の近くに流れる赤堀川を見て感動しまくりで(笑)、やっぱり私“こっちがいい”って、すごく思ったんです」

実際に自然に触れたときの体感的な納得が、床井さんの移住の決断を後押しし、環境の違いは単なる景観の差ではなく、生活の質や心の状態にも影響を与えている。「どこで暮らすか」が「どう生きるか」に直結するという実感があった。

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”日光は水が綺麗”だと言う床井さん…(床井さん撮影)

3|価値観のズレが移住の後押しに

「前職は事務職だったんですが、職場の皆さんとの意識のズレを1、2年ぐらい感じていたんですね。」

日々の中で感じる小さな違和感が、時間をかけて積み重なっていったという。

「文句ばかりが耳に入るようになっちゃったんです。心持ちの違いがどんどん大きくなっていったんですよ。」

周囲との考え方の違いが、次第にストレスとして意識されるようになり、無理に環境に合わせ続けることへの違和感が限界に近づいていった。自分の価値観を優先するという選択が、現実的なものとして見えてきた。

4|娘さんのワーキングホリデーが転機に

床井さんには大学を卒業したカナダ在住の娘さんがいる。

「移住する1年以上前、娘が大学3年のときに『私、来年就職しないでワーキングホリデーに行きたい』って言ってきたんですね」

そんなときに床井さんの頭を過ったのは「日光への移住」だった。

「『娘は大学卒業と同時にいなくなるのか…で、寂しいっていうより、あれ?私、自由じゃん(笑)』っていうふうになって、そういうときに「日光」っていうのが降りてきたというか(笑)、私日光にルーツがあるじゃない!って」

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低い雲が掛る日光連山…(床井さん撮影)

5|日光での暮らしがもたらした変化

「日光は“水”が綺麗で美味しくて…、“水”って野菜とかお米とかお酒を作り…私たちの身体を作ってるわけじゃないですか…」

日常の中で触れる環境の質が、生活全体の満足度に大きく影響している。食や水といった基礎的な要素への意識が高まり、暮らしの本質が見えてきている。生活の基盤が整うことで、心の余裕や安定感も生まれ、小さな要素の積み重ねが、暮らし全体の質を底上げしている。

6|仕事と暮らしの再スタート

「仕事を辞めて日光に来て、さあ何しようかなみたいな」

これまでの延長ではない、新しいスタートとしての時間を選択している。

「日光駅近くのゲストハウスでお掃除の仕事を週3日か4日ぐらいお世話になってます」

無理のない働き方を選び、生活とのバランスを取っている。その一方で、これまで床井さんがこれまでやってきたマルシェをはじめとした創作活動やコミュニティづくりへの想いは日に日に高まり、活動の幅を広げようとしている。

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クラフト作家でもある床井さんはクラフト作品などを市内のマルシェに出展している

7|心の持ち方を整える暮らし

マルシェでのお客さんとの出会いも床井さんにとって大切な気づきの場所だ。

「先日鬼怒川でのマルシェで、一人の男の子が来たんです。『よかったら見てって』と話しかけたら、観光で県外から来ているらしくて…「編み物に興味があってやりたいんですよ」っていうんです」

「今までの考えだと、編み物って女の子がやるものって、固定観念しかなかったんだけど、「これ、いいですよね」って、スマホケースを買ってくれたんです。こうして興味を持ってくれて合致した人に作品が売れていくんだなっていう感覚を“そこ”で得たんですね」

日々の人との会話は、心の持ち方を整えるのにもつながる重要な手段となって、暮らしの質を支えている。

8|日光で感じる魅力

特別な体験ではなく、日々の風景そのものが価値となっている。

「大谷川の橋から朝日が昇る一歩手前の朝焼けの大好きな写真があるんです。とても綺麗なんですよ。みんな日光連山ばっかり見てるけど(笑)」

「不思議です、日光に来て元気になりました。本当です。気持ちも明るくなるっていうか、声も大きくなったと思います(笑)」

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大谷川から見える日光連山も素晴らしい…朝日も負けないくらい綺麗…(床井さん撮影)

9|日光での居場所づくりにチャレンジしてみたい

「今、自分の原点に戻っているなと思うんですね。50歳ぐらいの時に本書いたんです。シングルマザーとして生きてきて、本当に精神的に辛かったんですね、本を書いた時、私はこういう自分のような立場の人を応援して行きたいなって思ったんです」

暮らしていくためのライスワークとライフワークの兼ね合いで娘さんに大変な思いをさせたという床井さん。

「移住してきて、ゲストハウスとかカフェのように立ち寄って、コーヒーとか紅茶とか一杯飲んでホッとできるような「コミュニティ」を作っていきたいなって想いが湧き上がってきて…」

これから自分のやれること、自分の生活の柱になるようなことに取り組んでみたいと熱く語ってくれた。

10|移住を考えている人へ

「そこは本当にあなたが生きている場所ですかって問いたいです。今いる場所に違和感があれば、それは一歩を踏み出すサインかもしれませんよ。」

今の環境を当たり前とせず、自分自身に問い直すことは重要で、違和感を前向きな変化のきっかけとして捉えて欲しいと床井さんは言う。

おわりに

都市での違和感をきっかけに、自分の感覚を頼りに暮らしを選び直した床井さん。日光という土地は、豊かな自然と人との程よい距離感の中で心を整えられる場所です。移住は自分らしい生き方を見つめ直す選択肢の一つであるかもしれません。

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日光市内のマルシェで床井さんに会えるかもしれません